PSG、夏の補強策は?移籍市場の談論「最も獲得に動くべきなのは…」

【引用:PSG公式Twitter & Off The Ball編集部】

パリ・サンジェルマン(PSG)は2021-22シーズン、リーグ・アンで2位に勝ち点15差をつける独走で優勝を達成した一方、最優先事項であるUEFAチャンピオンズリーグではベスト16敗退の憂き目に遭った。これにより、クラブはマウリシオ・ポチェッティーノ監督を更迭。絶対的エースであるフランス代表FWキリアン・ムバッペが残留を決断したことが戦力的に好材料となる一方、選手の裁量を超えた条件で新契約を結んだことで、チームのバランスが崩れる可能性も危惧されている。PSGは今後移籍市場でどのような立ち回りを見せるべきなのだろうか?現時点での実現度をあえて鑑みず、「Off The Ball」編集部内で独自の見解を談論した。

あわせて読みたい
編集部プロフィール 編集長:Jofuku Tatsuya 経歴:6年間にわたり某大手サッカーメディアの編集部に所属
目次

ムバッペ残留はPSGにとって“ハイリスクハイリターン”

Tate Masa

メンバーだけを見れば、ムバッペの慰留に成功したこともあり、PSGはやはり世界最高のタレント軍団。来季こそ悲願であるCL制覇を狙う目標は明確と言えるでしょうね。

Jofuku Tatsuya

レアル・マドリード移籍が確実視されていたムバッペが、急転直下でPSG残留を果たしたことは、一見すれば大成功に映るだろう。世界で3本の指に入るアタッカーなのだから、確かに残ってくれたのは戦力としてとても大きい。ただ、長い目で見た時、本当にそうだと言えるだろうか。現地報道によると、ムバッペに提示した条件で、選手の補強・放出の決定権や、監督やSDの解任の権限まで譲渡されたと伝えられている。もし事実だとしたら、さすがにやりすぎているのではないだろうか。選手から監督、スタッフまで、全員がムバッペの顔色を窺いながら働くことになる。それを一致団結している状態だと、本当に言えるだろうか。メッシやネイマールは、本音のところでどう思っているのか。ムバッペの新契約が、良い方向に転がるのか、悪い方向に転がるのか、まだ予測がつかない。

あわせて読みたい
ムバッペとPSGの“前代未聞の契約条件”が招くリスクは?城福浩が指摘「レンガが崩れる」 フランス代表FWキリアン・ムバッペは、レアル・マドリード加入が目前に迫っていた中、急転直下でパリ・サンジェルマン(PSG)残留がクラブ公式サイトで発表された。念願...

PSGにとって最適なディ・マリアの後釜は?

Tate Masa

ただ、退団したディ・マリアの後釜は必要でしょうね。左も右もできるタイプが望ましいかなと。左利きであれば、リーズ・ユナイテッドのブラジル代表FWハフィーニャ。右利きであれば、エバートンのブラジル代表FWリシャルリソンはどうでしょうか。リシャルリソンであれば、センターもできますし、最高級のスーパーサブだと思います。いずれにしても、質の高いバックアッパーは欠かせないですね。

あわせて読みたい
【動画付き】FWハフィーニャ プレースタイルと人物像【バルセロナ/ブラジル】 リーズ・ユナイテッドで頭角を現し、バルセロナへと加入したハフィーニャ。21年にはそれまで年代別での出場が無く、ブラジル国内では名前が知られていなかった選手なが...

※ブラジル代表FWリシャルリソンは2022年7月1日にトッテナムへと完全移籍。

あわせて読みたい
【動画付き】FWリシャルリソン プレースタイルと人物像【トッテナム/ブラジル】 プレミアリーグ、エバートンに所属するリシャルリソン。ブラジル代表でもその能力でゴールを量産する彼は、2022年夏にトッテナムへの完全移籍を果たした。25歳にしてセ...
Jofuku Tatsuya

前線の選手は1人欲しいところではあるね。左も右も遜色なくプレーできる選手で言えば、マンチェスター・シティのイングランド代表MFラヒーム・スターリングが理想的かな。あとは、両利きであるバルセロナのフランス代表MFウスマン・デンベレは起爆剤にはなるだろうね。彼はフランス人だし、もしもバルセロナを去るのであれば、PSG移籍は魅力的であるはず。

PSGの最終ラインに新たなディフェンスリーダーは必要?

Tate Masa

DFのポジションはどうでしょう?マルキーニョスがいるので、僕は特に補強は必要ないかなと思っているのですが。

Jofuku Tatsuya

自分は逆で、マルキーニョスに負担がかかりすぎているのが、今のPSGの課題でもあるかなと考えている。DFでもう一人、柱となる選手が欲しいところ。そういう意味では、ユベントスのオランダ代表DFマタイス・デ・リフトの獲得レースには参戦するべきだろうね。彼の最終ラインから見せるリーダーシップは、次世代のキャプテンとしても期待できる。マルキーニョスがビルドアップし、デ・リフトがカバーリングするタスクで、相性も良いのではないだろうか。

PSGにとって優先度の高い守備的MFの補強

Tate Masa

中盤に関しては、補強すべきなのはチェルシーのフランス代表MFエンゴロ・カンテですかね。現状、ヴェラッティのタスク量が多すぎるので、彼を攻撃に専念させるためにも、相棒としてカンテは適任かなと。チェルシーでも今では絶対的な存在ではなくなっているので、獲得のチャンスはあるはずです。彼もフランス人ですからね。

Jofuku Tatsuya

自分は、PSGが最も獲得に動くべきなのは中盤のポジションだと思っている。現状、4-3-3システムを導入しているが、前線の守備の強度がそこまで高くないことを踏まえると、4-2-3-1システムがいいのではないだろうか。そして、ダブルボランチを組むヴェラッティの相棒として、ウェストハムのイングランド代表MFデクラン・ライスの獲得が叶えば、これ以上の補強はないと思っている。現状、守備的MFとして、世界でも5本の指に入るかもしれない。まだ若く、100億円以上する移籍金で他のクラブは手を出さずにいるが、PSGの資金力であれば、交渉を長引かせることなく、違約金設定額の満額で獲得できるはず。CL出場権を持っていることで、ライスにとっても悪くない選択肢になる。

Off The Ball
【動画付き】MFデクラン・ライス プレースタイルと人物像【アーセナル/イングランド】 | Off The Ball イングランド代表においてレギュラーポジションを確保し、今や欠かすことのできない存在となっている、MFデクラン・ライスは多くのビッグクラブからの関心が報道され続けた...

PSGの中盤に訪れる“世代交代”の時期

Tate Masa

PSGの中盤は、現状のスカッドで言えば、ヴェラッティ、ダニーロ・ペレイラ、ゲイェ、レアンドロ・パレデス、ワイナルドゥム、エレーラと、存分にワールドクラスの選手が揃ってはいるんですよね。

Jofuku Tatsuya

その一方で、フレッシュな若手が不足している気もしている。全員、30代に突入しようとしている選手から30代半ばといった選手の年齢層になるが、次世代のチーム構成を考えると、先ほど触れたライスを含め、若手有望株を補強しておくべきではないかなと。4-3-3システムを継続するのであれば、インサイドハーフに1人、クリエイティブな中盤選手が欲しいところ。バルセロナのオランダ代表MFフレンキー・デ・ヨングに退団の意思があるのであれば、獲得にトライするべきではあると思う。もしくは、リールで結果を残しているポルトガル代表MFレナト・サンチェスにも期待できる。

※PSGは2022年7月1日に、ポルトからポルトガル代表MFヴィティーニャの獲得を正式発表。

あわせて読みたい
【動画付き】MFヴィティーニャ プレースタイルと人物像【PSG/ポルトガル】 クリスティアーノ・ロナウド、ぺぺ、ブルーノ・フェルナンデスをはじめ、あらゆる世代においてタレントを輩出してきたポルトガル。パリ・サンジェルマン(PSG)に加入した...

※PSGは2022年8月5日に、リールからポルトガル代表MFレナト・サンチェスの獲得を正式発表。

あわせて読みたい
【動画付き】MFレナト・サンチェス プレースタイルと人物像【ローマ/ポルトガル】 デビュー当初から活躍し注目の的になってきたポルトガル代表MFレナト・サンチェス。現在24歳の若武者はこれまで国際大会やリーグで優勝を経験。伸び悩む時期もあったも...

PSG夏の補強策のまとめ

2021-22シーズンのPSGは、リーグ・アンでは圧倒的な強さを誇示して優勝を果たした一方、CLではベスト16と早期敗退を強いられることに。クラブはポチェッティーノ監督を解任し、クリストフ・ガルティエ監督を招聘。新体制でチームに変革がもたらされることになるが、今夏の補強候補として、

  • ブラジル代表FWハフィーニャ(リーズ・ユナイテッド)
  • イングランド代表MFラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)
  • フランス代表MFウスマン・デンベレ(バルセロナ)
  • オランダ代表DFマタイス・デ・リフト(ユベントス)
  • フランス代表MFエンゴロ・カンテ(チェルシー)
  • イングランド代表MFデクラン・ライス(ウェストハム)
  • オランダ代表MFフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)
  • ポルトガル代表MFレナト・サンチェス(リール)

上記の名前が挙げられた。来季こそ悲願の欧州制覇を成し遂げることがPSGの最大のミッションになるが、新契約を結んだムバッペ、そして新戦力をまとめあげ、いかにチームを団結させることができるのかがポイントとなりそうだ。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いたライター

「Off The Ball」編集長。
大手サッカー専門メディアに過去6年配属。
在籍時は、高校サッカー・J1リーグを主に担当。
「DAZN」企画でドイツ・スペインへの長期出張で現地取材を経験。
人生の転機は、フェルナンド・トーレスの引退会見で直接交わした質疑応答。
趣味はサウナ。

目次