【カタールW杯】フランス代表の“特長”と“懸念点”は?城福浩が解説

フランス代表の解説
【引用:Planet football公式サイト & Off The Ball編集部】

カタールW杯開催に際し、「Off The Ball」では各優勝国候補の特長と懸念点を、東京ヴェルディで指揮官を務める城福浩氏が独自の視点で解説する特集を組む。今回は、フランス代表にスポットライトを当てる。

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フランス代表のカタールW杯での成績

対戦カードスコア得点者
vs オーストラリア代表4-1ラビオ ジルー×2 ムバッペ
vs デンマーク代表2-1ムバッペ×2
vs チュニジア代表0-1
vs ポーランド代表3-1ジルー ムバッペ×2

フランス代表は今大会も最高レベルのタレント軍団

※当記事のインタビューは2022年11月17日に実施したものです。

2018年のロシア大会で優勝を達成したフランスは、連覇を懸ける王者として臨むが、招集メンバーに関しては今大会でも1位、2位を争うタレント軍団となってる。

城福 浩

前大会王者のフランスは、ブラジルと並び、今大会最高レベルの選手層を誇っている。どのポジションにもワールドクラスの選手が名を連ねており、順当にいけば、決勝に行くべきチームと言えるだろう。バロンドールを受賞したてのベンゼマ、そして、極めて近い将来に受賞する可能性の高いムバッペ。ここに、ジルーやデンベレ、コマンに、トップ下のグリーズマンといった豪華なアタッカー陣がいて、4バックであればウイングに、3バックであればシャドーやウイングバックにと、バラエティーに富んでいるうえにハイクオリティだ。

※FWカリム・ベンゼマは練習中の負傷で、開幕直前の欠場が決定。

フランス代表が採用するのは3バック?4バック?

しかし、万全な状態でカタールに乗り込んだかと言われると、決してそういうわけではない。今年の6月から9月にかけて行われたUEFAネーションズリーグでは1勝2分3敗と、負け越した格好となった。ディディエ・デシャン監督は3バックと4バックを交互に使用していたが、これがポジティブな狙いだったのか、またはネガティブな迷いだったのか。

城福 浩

フランスは今年に入って、毎試合のように3バックと4バックのシステムを入れ替えていた。これをどう捉えるか。本大会に向け、双方のシステムを使い分ける方向性だったのか、もしくは、どちらのシステムが現状のスカッドで最善策なのか、まだ模索中の段階にあるのか。一つ言えることは、この半年間で行われたUEFAネーションズリーグでは振るわない成績を残し、そのままW杯を迎えるということ。ポグバやカンテら中盤の主力勢が負傷で欠場するというのも大きな痛手だが、チュアメニとカマヴィンガの2人がクラブで素晴らしい成長を示しているので、本大会で世代交代を示すことできるのかも見ものとなってくる。

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デシャン監督の招集メンバー”25人発表”の背景

フランスと言えば、今大会の招集メンバー発表した際、26人体制のところを25人の発表に留めたことが大きな話題を呼んでいた。デシャン監督はこれまでのように23人までの招集を希望していたとのことだが、城福浩氏はフランスならではの背景があるのではないかと見解を述べた。

城福 浩

デシャン監督は当初、W杯メンバーを25人しか発表せず、世界でも物議を醸した。そもそも、なぜ25人しか発表しなかったのか。多民族国家であるフランスは代表メンバーもその側面を持ち合わせており、様々な異文化が混在する社会の中から選ばれた選手たちが個性派揃いであることは想像に難くない。そのため、選手層が厚いのは決していいことだけではなくて、超一流の選手に出場時間を与えずにいると不満分子になりかねない。従来の23人である方が良かったというデシャン監督の姿勢にも、そういったマネジメントの苦労が垣間見える。

残りの1枠にFWテュラムを抜擢した理由は?

後日、デシャン監督は残りの1枠としてボルシアMGでブレイク中のFWマルクス・テュラムを指名した。そこにはレアル・マドリードFWカリム・ベンゼマとパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペという世界最高峰のコンビの“相性”も起因している可能性があると言及している。

城福 浩

最終的には、26人目としてテュラムを招集したのも興味深い。この背景には、ベンゼマとムバッペの2トップが完全にフィットし切れていない実情があるのではないだろうか。フランスは直近6試合で複数得点したのはわずか1試合。その試合も、2トップはムバッペとジルーだった。実力的な序列で言えば、文句なくベンゼマとムバッペだろう。そして、本大会の初戦も、おそらくはこの2トップで臨むはず。しかし、もし初戦が無得点の未勝利に終わったらどうだろうか?第2戦も、果たして同じ2トップを送り出すのか。その問題に直面することになる。

※FWカリム・ベンゼマは練習中の負傷で、開幕直前の欠場が決定。

デシャン監督の目論見は“マネジメントのリスクヘッジ”か

テュラムは今季ブンデスリーガで15試合10得点とまさしく絶好調で今大会を迎える一方、城福浩氏はパフォーマンスに加え、マネジメントの観点で選出を決断したのではないかと持論を展開。25人のメンバー発表の後日に1人だけ追加発表するという異例の形にも狙いがあった可能性はあるとしている。

城福 浩

本大会でも攻撃陣の不発を懸念し、現在ゴール量産中のテュラムに白羽の矢が立ったのだろうが、もしかしたら別の理由もあるのではないか。それは、前述の通り、ムバッペらがファーストチョイスである前提で、ベンチにスター選手ばかりを置くと、その分だけ不満分子となる可能性がある。そういう意味で、新進気鋭のテュラムであれば「もしかしたら今回は出番がないかもしれない。それでも、アクシデントがあった時は頼むぞ」といった対応の仕方ができると判断したのではないだろうか。残り1枠をわざわざ後日に発表したのも、そういった目論見があると考えると合点がいく。

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フランス代表の“特長”と“懸念点”のまとめ

フランス代表はカタールW杯において優勝候補の一角と評価されている中、城福浩氏は特長と懸念点をそれぞれ独自の視点で、下記のような形で解説した。

  1. ブラジルと並び、今大会最高レベルの選手層
  2. チュアメニ・カヴィンガら次世代組の成長
  3. 好調テュラムの招集で戦力アップ&リスクマネジメント
  1. 3バックか4バックか、固め切れずに本大会を迎えた印象
  2. ポグバ・カンテら主力組の相次ぐ負傷離脱
  3. 2トップの“相性”を見極め切れず得点力が低迷中
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当記事のインタビュイー

城福浩のプロフィール

U-17日本代表 監督…AFC U-17選手権優勝

FC東京 監督…ナビスコ杯優勝

ヴァンフォーレ甲府 監督…J2優勝

サンフレッチェ広島 監督…J1リーグ2位

東京ヴェルディ 監督…2022年〜現在

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この記事を書いたライター

「Off The Ball」編集長。
大手サッカー専門メディアに過去6年配属。
在籍時は、高校サッカー・J1リーグを主に担当。
「DAZN」企画でドイツ・スペインへの長期出張で現地取材を経験。
人生の転機は、フェルナンド・トーレスの引退会見で直接交わした質疑応答。
趣味はサウナ。

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