【カタールW杯】イングランド代表の“特長”と“懸念点”は?城福浩が解説

イングランド代表の解説
【引用:Four Four Two公式サイト & Off The Ball編集部】

カタールW杯開催に際し、「Off The Ball」では各優勝国候補の特長と懸念点を、東京ヴェルディで指揮官を務める城福浩氏が独自の視点で解説する特集を組む。今回は、イングランド代表にスポットライトを当てる。

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イングランド代表のカタールW杯での成績

対戦カードスコア得点者
vs イラン代表6-2ベリンガム、サカ×2、スターリング、ラッシュフォード、グリーリッシュ
vs アメリカ代表0-0
vs ウェールズ代表3-0ラッシュフォード×2 フォーデン

イングランド代表の強みは“ハリー・ケインからの逆算”

※当記事のインタビューは2022年11月17日に実施したものです。

ガレス・サウスゲート体制のイングランドは、主に3バックシステムを採用している。シャドーにドリブルやパスで相手DFを剥がすことのできるチャンスメーカーを配置し、絶対的エースのトッテナムFWハリー・ケインがフィニッシャーとしてプレーしやすい環境を整えている。

城福 浩

イングランドの強みは、ハリー・ケインという攻撃の軸がはっきりしているということ。ゴールを奪う能力、ポストプレーのスキル、どれを取ってもストライカーとして超一流で、今大会でまさにピークを迎える選手。今大会は、ストライカー不足を課題に抱えているチームが多い印象がある。その点で言えば、ハリー・ケイン以上のストライカーが、優勝国候補にいるのかと聞かれたら、1,2人ほどしかいないだろう。スターリングやサカ、マウントといったチャンスメイクに長けた選手も揃っている。サンチョが招集メンバーから落選してしまうほど、今のアタッカー層は厚い。

注目はフォーデンとベリンガムの“フットボールの未来”コンビ

また、イングランドが優勝を目指すうえで鍵となる選手に、22歳のマンチェスター・シティMFフィル・フォーデンと、19歳のドルトムントMFジュード・ベリンガムの名前を挙げている。

城福 浩

個人的には、今後世界のサッカー界を牽引していくであろう若手2人に注目したい。フォーデンとベリンガムだ。スピードが上がった中でもボールを扱える技術、ハードワークを厭わないメンタリティ、ゴールへの貪欲さ。彼らはフットボールの未来そのもの。フォーデンのアジリティの高さはすでに世界トップクラスで、ベリンガムは3列目からゴール前に飛び込んでいくプレーでゴールを積み重ねている。この2人がグループステージの早いタイミングでW杯の独特な雰囲気にアジャストしてくるようであれば、イングランドの56年振りの優勝もありえるだろう。

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イングランド代表が頭を抱える“右ウイングバック問題”

今大会でも指折りの選手層を誇るイングランドだが、ポジティブな状況で本大会を迎えることができるわけではない。チームが抱える懸念点を2つ指摘している。

城福 浩

ただ、イングランドが順風満帆かと言えば、そうではない。懸念点が2つある。1つは、右ウイングバック(WB)の問題。リース・ジェームズとチルウェルは直前の負傷により欠場を余儀なくされ、ウォーカーはメンバー入りしたものの、完治しないまま本大会を迎えることになる。となると、先発候補はトリッピアーかアーノルドになる。左WBも負傷者が出て人員不足になっているので、そこでトリッピアーが起用されるケースもあるが、サウスゲート監督は守備志向の戦術のため、アーノルドの起用に葛藤があるのは確かだろう。

サウスゲート監督にとって右WBのファーストチョイスはチェルシーDFリース・ジェームズであった可能性が高いが、負傷欠場というアクシデントがあり、ウォーカーも現段階で起用できる算段がついていない状況にある。しかし、アーノルドに関しては、直近の代表戦でメンバーから除外し、構想外である姿勢を示していたばかりだった。それだけ、サウスゲート監督にとってアーノルドの守備力は看過できなかったのだろう。しかし、相次ぐ負傷離脱により“やむをえず”アーノルドを招集するに至ったことが推測される。

イングランド代表の懸念点の解決策こそ“もうひとつの懸念点”

一方、城福浩氏はイングランドが抱える懸念点の2つ目に、ここ半年間に及ぶ深刻な得点力不足を指摘しているが、その課題を解決しうる存在こそ、前述のアーノルドであると見解を述べている。

城福 浩

もう一つの懸念点は、ここ半年間ほど続いている得点力不足。直近のドイツ戦こそ3-3の打ち合いになったが、それまでの試合は無得点が続き、スコアを動かしても1得点のみだった。この半年間で6試合を消化しているが、3分3敗の未勝利。厳しいチーム状況で本大会を迎えることになる。ただ、得点力不足の要因としては、ハリー・ケインへのボール供給が少ない点が大きかった。そして、その解決策になりえるのが、アーノルドなんだよね。守備面に問題を抱えているが、攻撃面でクロスやパスは世界最高レベル。守備を重んじるサウスゲート監督が、どのような決断を下すのか見ものだ。

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イングランド代表の“特長”と“懸念点”のまとめ

イングランド代表はカタールW杯において優勝候補の一角と評価されている中、城福浩氏は特長と懸念点をそれぞれ独自の視点で、下記のような形で解説した。

  1. ハリー・ケインという絶対的エースから逆算するフレームワーク
  2. ハリー・ケインの得点力を活かせるチャンスメーカーの充実度
  3. フォーデンとベリンガムという若き至宝がもたらす勢い
  1. 負傷者が続出して未解決状態の“右ウイングバック問題”
  2. 攻撃的SBのアーノルドと守備的戦術のサウゲート監督のアンマッチング
  3. 深刻な得点力不足の解決策に見込めるのがアーノルド
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当記事のインタビュイー

城福浩のプロフィール

U-17日本代表 監督…AFC U-17選手権優勝

FC東京 監督…ナビスコ杯優勝

ヴァンフォーレ甲府 監督…J2優勝

サンフレッチェ広島 監督…J1リーグ2位

東京ヴェルディ 監督…2022年〜現在

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この記事を書いたライター

「Off The Ball」編集長。
大手サッカー専門メディアに過去6年配属。
在籍時は、高校サッカー・J1リーグを主に担当。
「DAZN」企画でドイツ・スペインへの長期出張で現地取材を経験。
人生の転機は、フェルナンド・トーレスの引退会見で直接交わした質疑応答。
趣味はサウナ。

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