三笘薫、ブライトンでの起用法は?ノーミルク佐藤の見解「ビッグクラブの注目株に」

ブライトンに加入した三笘薫
【引用:ブライトン公式Twitter & Off The Ball編集部】

日本代表MF三笘薫は、現役日本人選手の中でもトップクラスの突破力を誇ることは周知の通りだろう。川崎フロンターレでの活躍はもちろんのこと、海外初挑戦となったベルギーのユニオンSGでも即座に主力に定着。その独特なリズムのドリブル突破と打開力は、欧州でも通用することを証明している。そして2022年夏、保有元であるプレミアリーグのブライトンにレンタルバックし、世界最高峰のリーグに挑むことになった。サッカー専門YouTubeチャンネルでMCを務め、データ企業を経営する戦術分析家のノーミルク佐藤氏は、三笘のプレミア挑戦について見解を述べている。

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海外初挑戦のベルギーで“異次元”の結果を残した三笘薫

川崎フロンターレでは左ウイングのレギュラーを担っていた三笘薫だが、3バックシステムを採用しているユニオンSGでは、左ウイングバックのレギュラーを託されることに。4バックを形成する際は、左サイドバックに配置されることもあり、日本での起用法とは異なっている。本来の主戦場ではないものの、そのポジションで結果を残せたことが非常に重要な成果となったと言及している。

ノーミルク佐藤

三笘選手は負傷離脱もあった中で、プレーオフも含め、7ゴール3アシスト。そして、ユニオンSG加入の1シーズン目にして、早くも対戦相手に「三笘シフト」のような対策が施されていた。プレミアリーグのブライトンにレンタルバックすることになったが、もし来季もベルギーでプレーしていたら、伊東純也選手のレベルに到達していただろう。なにより驚きなのが、7ゴール3アシストという結果を、主に左ウイングバックと左サイドバックのポジションで残したということ。これはちょっと異次元と言える。

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三笘薫とウンダブの再タッグはブライトンの長期計画?

ユニオンSGでエースストライカーを担っていたのはFWデニス・ウンダブ。2021-22シーズンはリーグ戦で26ゴール12アシストと殊勲の活躍を披露し、得点王にも輝いた。その功績を受け、ブライトンが完全移籍で獲得した。三笘としては、チームメートだったウンダブとイングランドでも共闘するのは心強い要素となるが、ユニオンSGを牽引していた主軸コンビをセットで連れてくることは、ブライトンにとって兼ねてからのプランだった可能性があるという。

ノーミルク佐藤

ユニオンSGにはウンダブという、得点王に輝いたアタッカーがいた。そのウンダブもブライトンへと完全移籍したことは、鍵となるだろう。三笘選手とホットラインのような関係はすでに築いたうえでの獲得なので、両クラブの間であらかじめそのような話し合いが以前からなされていたのかもしれない。ブライトンとウニオンSGは提携関係でもあるから、この2人の連携面をベルギーで固めて、イングランドに連れてくるという長期計画だった可能性はあると言える。

三笘薫はウイングバックでもシャドーでも「関係ない」

ブライトンは試合によって4バックと3バックを使い分けるチーム。三笘にとってはユニオンSGで類似したシステムを経験しているため、ベルギーで磨き上げてきたことを、そのままプレミアリーグで活かすことのできる土台は整っている。ユニオンSGと同様に左ウイングバック、もしくは左のシャドーで起用されることが予想されるが、三笘の能力を踏まえれば、そこまで配置を気にかける必要はないと指摘している。

ノーミルク佐藤

ブライトンでも、左ウイングバックとシャドーが主戦場になるだろう。仮に左ウイングバックで出場したとしても、三笘選手の信じられないような打開力を考えると、そこまでポジションは気にしなくていいかなと。日本代表では左ウイングの起用だけれど、センターラインでポジションニングしていることも多い。シャドーでも、相手が4バックだったら相手の右サイドバックをケアしないといけないので、結局ウイングのようなポジショニングを求められることになる。だから、ウイングバックだろうがウイングだろうがシャドーだろうが、あまり関係ない。彼のやるべきこと、求められていることは変わらない。

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ウイングバック起用で三笘薫は次なる“リース・ジェームズ”に?

ブライトンで主力を務めていたDFマルク・ククレジャにマンチェスター・シティ移籍の可能性が浮上しているため、退団となった場合は左サイドにテコ入れの必要性が生じることになる。それに伴い、三笘は左ウイングバックでの出場が増える可能性もありそうだが、攻撃面に特化したウイングバックとして印象付けることができれば、近い将来のステップアップも夢ではないかもしれない。

ノーミルク佐藤

プレミアリーグとベルギーリーグはレベルに差があるのは事実だが、ベルギーリーグの方が、1on1のデュエルを重んじる傾向にある。攻撃ではいかにマッチアップした相手を突破できるか、守備ではいかに対人で止めることができるか。彼はそういう舞台で、ウイングバックとして、守備でも結果を残してきた。あとは今、攻撃面で状況を打開できるウイングバックというのは、市場価値が高まっている。そこで結果を残せれば、一気にビッグクラブの注目株になるかもしれない。まさしく、チェルシーのリース・ジェームズのような化け方をしても不思議ではない。

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三笘薫のブライトンでの起用法のまとめ

【引用:ブライトン公式Twitter】

川崎フロンターレで日本サッカー界を席巻し、ユニオンSGでの海外初挑戦を経て、世界最高峰のプレミアリーグに挑戦するべく、保有元であるブライトンのユニフォームに袖を通した三笘。ユニオンSGで同僚だったウンダブと、ブライトンで再びタッグを組めるのは連携面でポジティブな要素であり、ベルギーでは左ウイングバックの新境地を切り開いたが、ブライトンでも同様のタスクを任される可能性が高い。もし攻撃的ウイングバックとしてプレミアの舞台でも結果を残せることができれば、一気にビッグクラブからの注目を集める存在となるかもしれない。

当記事のインタビュイー

ノーミルク佐藤のプロフィール

株式会社Lifepicture代表取締役、YouTubeCH「ミルアカ」MC『ノーミルク佐藤』。

複数webメディアの運営や企業の経営改善、マーケティング、プロモーション、教育事業を行う傍ら、自社でサッカーのデータラボを立ち上げ、独自にデータの収集・分析・開発を行う。

ABEMA「ゼルつく」の専属データマンとしての出演、ABEMA「FIFAワールドカップ2022抽選会生中継〜最速予想&分析SP〜」などの出演、GOAL主催Jリーグ版NXGN2021選考委員等も務める。

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この記事を書いたライター

「Off The Ball」編集長。
大手サッカー専門メディアに過去6年配属。
在籍時は、高校サッカー・J1リーグを主に担当。
「DAZN」企画でドイツ・スペインへの長期出張で現地取材を経験。
人生の転機は、フェルナンド・トーレスの引退会見で直接交わした質疑応答。
趣味はサウナ。

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