【動画付き】FWコーディ・ガクポ プレースタイルと人物像【リバプール/オランダ】

【引用:Football on BT Sport公式Twitter】

カタールW杯で最も印象的なブレイクを遂げたのが、オランダ代表FWコーディ・ガクポと言っていいだろう。グループ戦の3試合において、その3試合連続でゴールを記録。この活躍を受け、リバプールへの移籍が決定した。所属先のPSVでは主に左のサイドハーフや左のウイングを務め、チームの絶対的な主力として攻撃を牽引し、ゴールとアシストを量産している。なぜガクポはゴールとアシストを両立させることができているのか。そこににフォーカスを当てながら、ガクポのプレースタイルやキャリアを含めて紹介していく。

目次

ガクポの基本プロフィール

生年月日1999年5月7日
国籍オランダ
所属クラブリバプール
ポジションFW
身長187cm
利き足
経歴ヨングPSV→PSV→リバプール

ガクポのプレースタイル

(ガクポのプレーエリア)【引用:SofaScore

主に左サイドを主戦場にするオランダの新星ウインガー。クラブでは4-2-3-1の左サイドハーフや4-3-3の左ウイングで主に起用されている一方、オランダ代表では最前線・トップ下などの中央エリアで起用されており、ユーティリティな万能さを兼ね備えている。

特徴としてはサイドからのドリブルをまず挙げたい。スピードを生かして相手を置き去りにして突破することもあれば、足元のしなやかさを生かしてフェイントを巧みに使って相手を抜くこともできる。相手を見てドリブルすることができるため、相手を抜くという事項だけをとっても多彩なパターンを単独で生み出すことができる。

また、攻撃の選択肢の多さがある。カットインで自分でシュートを打つこともでき、クロスやスルーパスの精度も非常に高い。そして相手DFの裏や空いているスペースにも飛び込むことができる。
そして、屈強なフィジカルに加え、身長も高いため、味方のクロスにヘディングで合わせることも得意としている。遠目からのミドルシュートもある。すなわち、相手からすると何をしてくるか的を絞りづらいため、対策をしにくい選手なのである。様々なポジションでプレーができるのもこの理由である。

チームメイトを生かすプレーと自分自身がフィニッシュに持ち込むプレーを両立しているガクポが所属クラブでゴールとアシストを量産しているのにはこのような個人の攻撃パターンの多さにある。あらゆるポジションを遜色こなすという点において近代的なアタッカーの代表格とも言えるかもしれない。

ガクポのスーパープレー

2022-23シーズンのガクポのスーパープレー。

第9節、ヘーレンフェーン戦では味方と連携しながら左サイドからカットインして相手をスピードでかわしシュートを決めた。この試合ではこのガクポのゴールが決勝点となりチームは勝利をおさめた。

このゴールのようなシーンは、ガクポが最も得意としているプレーの1つだ。

ガクポのキャリア

PSVのユース育ち。2016年にPSVのU-19カテゴリーから、ヨングPSVに昇格した。ヨングPSVでは26試合で17ゴールとゴールを量産し、2018年にはトップチームに昇格した。2020/21シーズンは23試合で7ゴール3アシストだったものの、翌シーズンの2021/22シーズンでは27試合で12ゴール13アシストとブレイクした。この活躍が認められ最近はキャプテンを務めることもあり、チームの顔として活躍している。

代表の活動としてはオランダ代表としてU-18、U-19、U-20、U-21にそれぞれ選出され、2016/17シーズン、2017/18シーズンと二年連続でU-19のユースカップ準優勝に貢献した。2021年5月、EURO2020における予備登録メンバーにおいてオランダ代表のトップチームに初選出され、第3戦の北マケドニア戦で代表初出場を果たした。同年9月、ワールドカップヨーロッパ予選のモンテネグロ戦で代表初ゴールを決めた。カタールワールドカップのオランダ代表にも選出され、活躍が期待されていたが、グループリーグにおいて3試合連続ゴールを決め、グループ首位突破に貢献。その期待に見事応えている。

2022年12月26日、リバプールへの移籍合意が正式発表された。移籍金はボーナスを含め合計5000万ポンド(約80億円)と報じられている。

ガクポのエピソード

ガクポは今夏にマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が噂されていたことに関してこのように語った。

「自分は退団に近づいた。ユナイテッドの監督とも話をしたんだ。しかし移籍は実現しなかった。それは自分にとっては残念なことであった。ユナイテッドは世界でも名の知れたビッグクラブだし、PSVにとっても自分の選手をユナイテッドに売却することは有益だからね。」

一方、PSVのゼネラルディレクターを務めるマルセル・ブランズ氏は移籍交渉によってシーズンに向けての準備不足を懸念していた。

「ガクポはユナイテッドと交渉を行ったため、難しいプレシーズンを過ごした。彼らは移籍市場が閉まる直前まで来なかったし、契約は成立しなかった。適切な金額が提示されていたとしても、ガクポが移籍市場の終わりに出て行くことはなかったのではないかと思う。ガクポと決めた最低限度額に近づくような入札はなかったのだ。」

W杯での大活躍を受け、今冬もユナイテッドが獲得に乗り出し、選手間合意はすでに済んでいると報じられていたが、12月26に急転直下でリバプールへの移籍が決定した。

また、W杯期間中にオランダ代表の主将DFファン・ダイクが同僚ガクポのユナイテッド移籍について記者から尋ねられた際、顔をしかめて「ユナイテッドとレアル・マドリードは同じレベルにあると思うかい?彼は(ユナイテッドよりも)その先のステップにいる存在だよ」とコメントしていた。ファン・ダイクの存在が、ガクポのリバプール移籍の後押しとなった可能性は高そうだ。

ガクポのまとめ

攻撃の全ての動きをハイレベルにこなすガクポはPSVでもオランダ代表でも抜群の存在感を誇っている。実際、カタールW杯では3試合連続ゴールという大仕事をやってのけた。オランダの攻撃陣を見てみてもガクポのように万能にこなせるアタッカーは貴重であるため、今後も重要な選手になることは変わりないだろう。リバプールでは果たしてどのような進化を遂げていくのか期待が寄せられる。

あわせて読みたい
W杯経由→ビッグクラブ行きの注目選手【11選】 移籍先候補&推定額の一覧 カタールW杯では、リオネル・メッシを筆頭にスター選手が躍動している一方、前途有望な“次世代の逸材”も目覚ましいパフォーマンスを披露している。そこで、今大会の活躍...

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いたライター

高校の頃、Jリーグのボールボーイを務めた経験もある。
好きなチームはバルセロナ、アストン・ヴィラ、アヤックス、ライプツィヒ。様々なリーグを見ていることから幅広い知識を持ち、若手の選手やこれからの活躍を期待される選手、まだ世界的に名の知れていない選手の解説が得意である。

目次