はじめに
ジョアンフェリックス(João Félix)は、ポルトガルが誇る攻撃的ミッドフィルダー/フォワードとして、若くして欧州5大リーグをはじめとする複数のクラブでプレーしてきた稀有な才能の持ち主です。本記事では、彼の生い立ちからクラブキャリア、代表戦での活躍、そして直近のサウジアラビア移籍までを、正確かつ網羅的に解説します。
幼少期とユースキャリア
ジョアンフェリックスは1999年11月10日、ポルトガル中部のヴィゼウで生まれました。8歳のときにFCポルトのユースに加入し、その後ベンフィカの育成部門へとステップアップ。若年時代からその才能は高く評価されており、16歳になる頃にはベンフィカBでプロの舞台に登場します。
- 生年月日:1999年11月10日
- 出身地:ポルトガル・ヴィゼウ
- 身長:1.81m
- ポジション:セカンドストライカー、攻撃的MF、ウィンガー
SLベンフィカでのブレイク(2016–2019)
2016年9月、ジョアンフェリックスはわずか16歳でベンフィカBチームにデビュー。2018–19シーズンにはトップチームに定着し、26試合で15ゴールを記録。中でもUEFAヨーロッパリーグ準々決勝のアイントラハト・フランクフルト戦ではハットトリックを達成し、欧州中の注目を集めました。
- 2018–19シーズン成績:43試合20ゴール
- UEFAヨーロッパリーグ最年少ハットトリック達成者
- 同年にゴールデンボーイ賞受賞
その年の活躍により、ジョアンフェリックスは世界的な有望株として一気に評価を高めました。
アトレティコ・マドリードへの移籍とリーガ制覇(2019–2023)
2019年7月、スペインのアトレティコ・マドリードがジョアンフェリックスを1億2600万ユーロ(クラブ史上最高額)で獲得。この移籍は、当時のサッカー界でも話題となり、彼に寄せられる期待の大きさを物語っていました。
主な功績:
- 2020–21シーズン:ラ・リーガ優勝に貢献
- 2021–22:クラブの年間最優秀選手に選出
- 合計成績:131試合34ゴール(アトレティコ在籍期間)
しかし、戦術面でディエゴ・シメオネ監督との相性が課題とされ、継続的なスタメン定着には至りませんでした。
チェルシー、バルセロナ、ACミランでのレンタル生活(2023–2025)
2023年1月、ジョアンフェリックスはプレミアリーグのチェルシーFCにレンタル移籍。続いて2023–24シーズンはFCバルセロナでプレーし、ラ・リーガで6ゴール4アシストを記録しました。
2025年にはACミランへ半年契約で移籍。デビュー戦で即ゴールを決めるなど、依然として高いパフォーマンスを維持しています。
サウジアラビア・アル・ナスルへ移籍(2025年)
2025年7月、ジョアンフェリックスはサウジ・プロリーグのアル・ナスルに移籍。移籍金は推定2620万ポンドとされており、クラブはクリスティアーノ・ロナウドに続く大物獲得として注目されています。
- 移籍日:2025年7月29日
- 所属クラブ:アル・ナスル(サウジアラビア)
- 推定移籍金:£26.2m
ポルトガル代表での歩み
ジョアンフェリックスは、U-18〜U-21世代で代表に選出され、2019年にはフル代表デビュー。同年のUEFAネーションズリーグではチームの優勝に貢献。2022年のFIFAワールドカップ・カタール大会ではグループステージでゴールを決めています。
- フル代表デビュー:2019年
- 代表出場数(2025年8月現在):38試合
- ゴール数:7
プレースタイルと評価
ジョアンフェリックスの特徴は、テクニックに優れたボールコントロール、創造性、そしてポジショニングの柔軟性にあります。セカンドストライカーやトップ下としての起用が多い一方、ウィングや偽9番としても高いパフォーマンスを発揮。高いサッカーIQを活かしたプレーは監督陣やファンからも高評価を得ています。
- 利き足:右
- 主なポジション:セカンドストライカー、トップ下、左ウィング
- 特徴:スルーパス、スペース活用、ドリブル突破
受賞歴
- ゴールデンボーイ賞:2019年
- プリメイラ・リーガ月間最優秀選手:複数回
- アトレティコ・マドリード年間MVP:2021–22
- UEFAネーションズリーグ優勝:2019年(ポルトガル代表)
おわりに
ジョアンフェリックスは、若くして欧州トップクラブを渡り歩き、ポルトガル代表でも確固たる地位を築いてきた選手です。そのキャリアはまだ25歳という若さにもかかわらず、すでに豊富な経験と実績に彩られています。今後、アル・ナスルでどのようなインパクトを与えるのか、世界中のサッカーファンが注目しています。