現代サッカー選手において最高のマルチローラーとの呼び声高いオーストリア代表DFダビド・アラバは2021年に新たな挑戦としてスペインのレアル・マドリードへと活躍の場を移した。バイエルン所属時には当時の指揮官グアルディオラからそのユーティリティ性を「神」とまで称されたアラバであるが、レアルでの起用法もマルチになるであろう。そんなアラバのプレースタイルやスーパープレー、エピソードなどをこの記事では紹介していく。
アラバの基本プロフィール
| 生年月日 | 1992年6月24日 |
| 国籍 | オーストリア |
| 所属クラブ | レアル・マドリード |
| ポジション | DF |
| 身長 | 180cm |
| 利き足 | 左足 |
| 経歴 | FCバイエルン・ミュンヘン→ホッフェンハイム(loan)→FCバイエルン・ミュンヘン→レアル・マドリード |
アラバのプレースタイル
メインポジションはどこなのだろうか。筆者以外にそう思う人は少なくないだろう。主に多く配置されているのは左SBであるが、他にもCBやインサイドハーフ、サイドハーフ、ボランチ、トップ下、WGどのポジションに配置されても高水準のパフォーマンスを見せる。GK以外のポジションならどこでもフィットしてしまうほどのマルチローラーである。2013年にバイエルンの監督に就任した名将、ジョゼップ・グアルディオラにはそのユーティリティ性を「神」とまで称され、チームの重要な選手として重用された。
中でもアラバの起用法で有名になったのは、「アラバロール」である。スタートポジションは左SBに配置され、ブロック守備時にはその左SBのポジションでしっかりDFラインを形成する。アラバロールが真価を発揮するのはポゼッション時である。ポゼッション時には左SBのポジションから1列前のボランチ・インサイドハーフの位置まで上がり、中に絞った左のハーフスペースにポジションを取る。そうすることで、中盤で数的有利になった状態でのパス回しが可能となる。また、アラバが絞ったことで左CBからワイドに張った左WGの選手へのパスコースが出来る。当時のバイエルンは元フランス代表FWフランク・リベリー等のキレキレドリブラーが多く在籍していた。そのWGプレイヤー達にボールを配給し、ドリブルで仕掛けさせるための配置でもあった。ネガティブトランジション時には中に絞ったアラバがいることで中央に数的有利を作れているため、カウンター対策としてセカンドボールの回収や、プレッシングを行い、すぐさまポゼッションを戻すことが出来ていた。これらはグアルディオラのポジショナルプレーの思考から生まれたものである。そして、この戦術が出来たのも、アラバの攻撃面・守備面両方のスキルの高さと、ユーティリティ性の源であるサッカーIQ・戦術理解力の高さがあったからである。
アラバのスーパープレー
バイエルン時代のアラバのスーパープレー集。アラバの多彩な才能を見ることができる。ベストゴールのシーンでは、強烈なダイレクトミドルを叩き込み、ベストアシストのシーンでは柔らかなフライスルーパスをブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョに合わせている。

